
トランプ米大統領は、世界的な貿易ショックを引き起こした「相互関税」の停止期間を当初の7月9日から8月1日に延長する大統領令に正式に署名した。ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は同日午後、記者団に対しこの決定を確認し、関係国に新たな交渉の機会を与えるものだと強調した。トランプ政権が関税の実施を延期するのはこれで3回目。前回は2月にメキシコ・カナダ関税を3月4日まで延期し、3月には4月2日まで延長していた。
この延長は、4月の関税騒動に対する追加調整とみられている。トランプ大統領は4月2日、突然、全ての貿易相手国に10%の「基本関税」を課すと発表し、特定の国にはさらに高い関税を課した。この政策は直ちに米国株価の急落と多くの国からの強い抗議を引き起こした36。圧力を受け、トランプ大統領は4月9日、高関税の実施を90日間停止する一方で、10%の基本関税率は据え置くと発表した。ベンソン米財務長官は最近、8月1日までに合意に至らなければ、関係国の関税を4月に発表した「相互関税」基準に戻すと明言した。
資本市場はすぐに反応した。大統領令が署名された7日、ダウ工業株30種平均は0.94%、S&P500は0.79%下落し、4月に政策が発表された際の市場の不安定さが続いた。経済学者たちは、こうした関税はインフレ圧力を悪化させ、景気後退を引き起こす可能性もあると警告し続けている。注目すべきは、トランプ大統領が14カ国に送った書簡の中で、他国が報復関税を課した場合、米国は当初の税率に加えて同額の追加関税を課すと警告したことだ。
メキシコは、紛争解決のために対話を求めつつ国家主権を守ると述べ、対応で先頭に立っている。新たな期限が近づくにつれ、国際貿易システムはトランプ大統領が初めて「相互関税」を発表して以来、最も厳しい試練に直面しており、世界のサプライチェーンは新たな再構築の幕開けとなるかもしれない。