
欧州委員会のフォンデアライエン委員長は13日、米国に対する対抗関税措置の停止期間を8月上旬まで延長すると発表した。この決定は両者間の交渉にさらなる時間を稼ぐことを目的としている。フォンデアライエン氏は、EUは常に貿易紛争を交渉を通じて解決することを好んでおり、この立場は変わっていないと強調した。
この延長は、米国と欧州間の貿易摩擦が激化する中で行われた。米国はこれまでにもEU製品に追加関税を課すと警告しており、EUは総額900億ユーロを超える米国製品を対象とした2つの対抗措置リストを作成した。対抗措置は当初7月14日に発効する予定だったが、EUは交渉への誠意を示すため実施を延期することを選択した。
アナリストらは、EUの今回の動きは8月初旬までに原則的な貿易協定に達するための努力かもしれないと指摘した。両国は航空機部品やワインなど主要品目の関税引き下げについて交渉していると報じられている。しかし、交渉が失敗した場合、EUは依然として対抗措置を実施する権利を留保している。
注目すべきは、これが初めての延期ではないということだ。 EUはこれまでも何度か対抗措置を延期しており、米EU貿易関係に慎重な姿勢を示している。一方、フォンデアライエン氏の決定をめぐってEU内で意見の相違があり、一部の加盟国は米国の圧力に対してより強硬な対応を取るべきだと考えている。
全体的に見て、EUの一時停止戦略は交渉を重視していることを反映しているだけでなく、起こりうる貿易戦争に備える余地も残している。来月は米国とEUの関係にとって極めて重要な時期となるだろう。両国が関税問題で妥協できるかどうかは、世界貿易のパターンに直接影響を及ぼすだろう。