
ロイター通信は、中国の通信機器メーカーであるファーウェイが米国のライバル企業から企業秘密を盗もうとし、貿易制裁下にあるイランに監視機器を販売しようとしたとして2019年に16件の起訴状が出されていたことを受け、米国の判事が同社を裁判にかけるべきだとの判決を下したと報じた。裁判は現在2026年5月4日に予定されている。
米連邦地方裁判所のアン・ドネリー判事は、訴状に会社の訴訟却下要求を反駁するのに十分な証拠があると判断した。ブルックリンの裁判官は52ページに及ぶ判決文の中で、訴訟を棄却する主張は時期尚早であると判断した。起訴状によると、ファーウェイは組織犯罪に関与し、6つの企業から企業秘密を盗み、イランでの業務に関して金融機関を欺いて銀行詐欺を犯したとされている。
イランに対する疑惑は、同国で事業を展開していた香港企業スカイコムをファーウェイが支配していたという疑惑に端を発している。ドネリー氏は、検察側がスカイコムが「ファーウェイのイラン子会社として運営され、最終的に米国の金融システムを通じて1億ドル以上の送金で利益を得ていた」という主張に成功したと述べた。
ファーウェイは無罪を主張し、「犯罪捜査のための検察の標的」であるとして、16件の訴追のうち13件の却下を求めた。この事件はトランプ大統領の最初の任期中の2019年に遡り、当時、米国司法省は中国による知的財産窃盗の疑いで捜査を開始した。
中国当局は、国家安全保障上の懸念を口実に米国政府が「経済的威圧」と「中国企業への抑圧」を行っていると非難している。同社の最高財務責任者で、父親が同社を創業した孟晩舟氏は、ファーウェイが対イラン制裁に違反した容疑でカナダで逮捕され、3年間拘留された。万州は最終的に釈放され、告訴も取り下げられた。
米政府は安全保障上の懸念を理由に、2019年にファーウェイの米国技術へのアクセスを制限し始めた。同社はこうした制約の中で市場シェアを維持するのに苦労したが、その後は独自のチップや関連技術の開発を強化した。同社は中国市場にも重点を移しつつある。