
ファイナンシャル・タイムズによると、ファーウェイは中国に「大規模チップ生産工場」を建設しており、主に7nmプロセス以降のプロセスを採用し、主力製品であるKirinおよびAscendチップ用のAIチップを生産する予定です。ファーウェイは近年、人工知能(AI)分野でNVIDIAを脅かすほどの大きな進歩を遂げています。
ファーウェイのAscend人工知能チップの研究開発と製造は近年大きな進歩を遂げており、限られた生産ラインでは市場の需要に追いつくのに苦労するほどです。
しかし、ファイナンシャル・タイムズが、ファーウェイが「人工知能サプライチェーンの垂直統合」の一環として深センに大規模なチップ工場を建設していると報じたことで、この状況は変わりつつあるようです。
この地域に建設される新しい施設は、主にKirinモバイルチップとAscend AIプロセッサ向けのファーウェイの7nmプロセス生産ニーズを満たすことになるでしょう。この工場は、彭鑫正(PXW)や深圳彭鑫正(PST)といった、ファーウェイのサプライチェーンの一部とされる中国のファウンドリーの施設に近接していると言われています。そのため、この中国のテクノロジー大手は、調達を大幅に加速し、パートナー企業との距離を縮める「ウェハファウンドリーセンター」を建設する可能性が高いでしょう。
このプロジェクトは地元政府の資金提供も受けており、ファーウェイが直接運営するのではなく、新開楽(Xinkaila)や盛維旭(Shengweixu)といった企業が運営すると報じられています。ファーウェイは初期段階で重要な役割を担い、必要な資金を提供し、経営陣と技術チームを派遣します。これにより、ファーウェイはサプライチェーンのほぼすべてのリンクを監督できるパートナーエコシステムを構築することができ、これは長年にわたるファーウェイの驚異的な進歩の原動力の一つとなっています。
ファーウェイが半導体チャネルに参入する以前、SMICの業界需要への対応実績は期待外れでした。同社のAscend AIチップの受注は「数百万」単位と言われており、中国で最も有名な半導体企業であるファーウェイは現在、これほどの需要に応えることができず、生産ラインの緊急アップグレードを迫られています。深圳に建設中の工場は早ければ来年にも稼働を開始する可能性があり、これはファーウェイにとって先進的なチップ技術の持続的な開発に向けた第一歩となるでしょう。