
半導体メーカーのアーム・ホールディングスの株価は、時間外取引で11%下落した。同社は第1四半期の業績見通しがウォール街の予想を下回り、世界貿易と経済の不確実性を理由に通期ガイダンスも据え置いたためだ。アームの第4四半期の売上高はアナリスト予想をわずかに上回ったものの、他の企業と同様に四半期利益の見通しについては慎重な姿勢を示した。
ドナルド・トランプ米大統領が発表した世界的な関税措置と、主要半導体市場である中国への先端半導体輸出に対する米国の厳しい規制は、半導体企業の見通しを不透明にしている。「世界貿易と経済情勢をめぐる不確実性を考慮すると、年初からの見通しは通常よりも暗い。そのため、通期ガイダンスを示すことは賢明ではないと考えている」と、ジェイソン・チャイルド最高財務責任者(CFO)はアナリスト向けの電話会議で述べた。アームのコメントは、サムスンやクアルコムを含む他の半導体メーカーも同様の警告を発している。同社は第1四半期の売上高を10億ドルから11億ドルと予想しており、アナリスト予想の中央値11億ドルを下回った。一方、アームは現在、第1四半期の調整後1株当たり利益を30セントから38セントと予想しており、これは同社の予想42セントを上回っている。
同社は既に通期の売上高見通しを公表しているが、レネ・ハースCEOは、スマートフォンやノートパソコンなどのデバイスの販売に連動するチップ当たりロイヤルティ収入におけるアームのシェア拡大が、同社の事業の予測可能性を低下させていると述べた。
ハースCEOは、関税は今のところアームの事業にほとんど影響を与えていないと述べた。「今後の見通しを語るには時期尚早だ。出荷の約10%から15%が米国向けなので、大きな影響はないと考えている」とハースCEOは述べた。