
エヌビディアは、米国の輸出規制に準拠したH20人工知能チップのダウングレード版を、今後2カ月以内に中国市場に投入する計画だ。事情に詳しい関係者によると、エヌビディアは大手クラウドコンピューティングサービスプロバイダーを含む中国の主要顧客に対し、7月にH20チップの改良版を投入する計画を通知したという。
米国はエヌビディア製チップの輸出規制を強化し続けているものの、同社は中国市場における地位を維持したい考えで、今回のダウングレード版H20チップは、そのための最新の試みとなる。今年1月期において、中国市場はエヌビディアに170億ドルの売上高をもたらし、総売上高の13%を占めた。
事情に詳しい関係者によると、エヌビディアは改良チップの設計・開発の指針となる新たな技術基準を設定した。これらの技術仕様により、ビデオメモリ容量の大幅な削減など、オリジナルのH20チップと比較して性能が大幅に低下する。下流の顧客は、モジュール構成を調整することでチップの性能レベルを変更できる可能性がある。
本稿執筆時点で、NVIDIAはコメントを拒否した。商務省もコメント要請に応じなかった。