
Appleは昨日、2025年度Swift Student Challengeの受賞者リストを正式に発表しました。世界38の国と地域から350作品が選出されました。リード開発者のマリーナ・リー氏、浜本大樹氏、ルシアナ・オルティス・ノラスコ氏、ナフム・ワーク氏が参加し、彼らが開発したアプリのプレイグラウンドは、自然災害への対応、文化継承、天文学の普及、教育の公平性の向上といった分野を網羅しています。
今年の受賞作品は、多文化の融合と技術の分野横断的な応用が特徴となっています。日本人開発者の浜本大樹氏が制作した「Hanafuda Tactics」は、伝統的な花札をインタラクティブに再現したゲームで、100年以上の歴史を持つ文化遺産の保護を目指しています。アメリカ人学生のマリーナ・リー氏が開発した「EvacuMate」は、災害時のリソース管理とリアルタイム通信機能を統合し、緊急対応を支援します。メキシコのルシアナ・オルティス・ノラスコ氏による「BreakDownCosmic」は、視覚化モデルを用いて天体物理学の概念を分かりやすく解説し、宇宙に関する知識の普及を促進しています。エチオピアのナフム・ワーク氏による「AccessEd」は、遠隔地の学生にオフラインの教育リソースへのアクセスを提供しています。
Appleのシニアバイスプレジデント、サリー・プレストン氏は、「応募作品には、創造性を現実世界への影響へと転換する力強さが感じられました」と述べています。優秀な受賞者50名は、6月9日にApple本社で開催されるWWDC(グローバル開発者会議)に招待されます。参加者は基調講演、テクニカルラボへの参加、専門家との交流の機会を得られます。
このコンテストでは、Swift言語とAppleの開発ツールを用いてオリジナルのアプリケーションプレイグラウンドを開発することが求められ、応募作品には拡張現実(AR)や機械学習といった先進技術の応用も見られました。地域文化を取り入れたプロジェクトには、メキシコの星のデータを用いた天文学モデルの構築や、日本の折り紙を取り入れたインタラクティブな教材のデザインなどがあります。優勝者には、WWDC への招待に加え、Apple の開発者サポート プログラムへの参加や世界的な展示会への参加の機会が与えられます。