
越境ECプラットフォーム「TEMU」の米国サイトは、このほど大規模な運用調整を完了しました。2025年4月30日をもって、2年間運用してきたフルホストモデルを完全に終了し、すべての商品ページにローカライズされたロゴが追加されます。販売される商品の92%以上に「現地倉庫」「輸入手数料無料」「送料無料」のラベルが貼られています。
運用モデルの全面的再構築:
中国からの直販商品へのリンクは4月26日から段階的に削除され、4月30日をもってすべての米国サイトへの移行が完了しました。
既存の商品はすべて北米の現地倉庫から直接発送され、中国人セラーへの供給拠点は完全に閉鎖されます。
プラットフォームは、米国現地セラーの獲得に重点を置いています。セミホストモデルでは、セラーは自ら倉庫と物流を管理する必要があります。
政策は緊急の改革を迫る
この調整は、米国の関税政策の変更に直接起因しています。5月2日に発効したT86条は、800ドル未満の小包に対する免税を廃止しました。中国から直送される商品には125%の関税が課せられます。単価30ドルの商品を例にとると、物流コストは37.5ドルも急騰し、業界平均の利益率をはるかに上回ります。フルホスティングモデルでは、TEMUがすべての関税を負担しなければならず、1商品あたりの粗利益率は35%から12%へと大幅に低下します。
サプライチェーンの抜本的な調整:
物流コスト構造の再構築:国際ダイレクトメール1通あたりのコストは約5ドルですが、一括配送により現地倉庫保管コストを2.5ドルに削減できます。
配送時間の改善:配送サイクルを21日から1~5営業日に短縮し、需要の高い商品には「3日配送」というラベルを付けます。
リスク移転メカニズム:在庫滞留のリスクは販売者に負担させ、プラットフォームの手数料率は10%に引き下げます。現在のプラットフォームデータによると、アパレルとホームカテゴリーの商品の約60%が現地倉庫への切り替えを完了していますが、一部の電子製品はまだ「補充」状態にあります。TEMUの社内計画によると、同社は2025年末までに米国における倉庫カバー率を85%に引き上げ、テキサス州とニュージャージー州に2つの地域配送センターを追加する予定です。