
台湾の経済日報はアナリストの話を引用し、世界的なエレクトロニクス企業Appleは2025年にTSMCから最大1兆台湾ドル(約330億米ドル)の半導体受注を獲得する可能性があると報じました。これはTSMCの売上高成長の重要な原動力となる可能性があります。この分析では、この推計はTSMCのApple製品におけるシェアが引き続き拡大していること、そして米国アリゾナ州にある同社のウェハファブが将来的に重要な役割を果たすことを背景としています。
AppleのCEO、ティム・クック氏は、同社がTSMCアリゾナ工場の最大の顧客であることを繰り返し強調しています。TSMCは先端プロセスで引き続きリードしており、同社が今後投入する2nmプロセスは、Appleの受注量増加の大きな要因になると予想されています。
データによると、TSMCの2025年第1四半期における3nmプロセスの寄与率は22%で、2024年同時期の9%から13ポイントの大幅な増加となりました。一方、5nmプロセスと7nmプロセスの寄与率はそれぞれ1ポイントと4ポイント減少しました。アナリストは、3nmプロセスの売上高増加は主にAppleがiPhoneチップにこのプロセスを広く採用したことによるものだと指摘していますが、今後の2nmプロセスの受注がさらなる成長の勢いをもたらすと予想しています。
報道によると、Appleは2024年にTSMCから約6,240億台湾ドル相当のチップを購入する計画です。2025年に受注額が1兆台湾ドルに増加した場合、年間成長率は最大60%に達すると予想されます。しかし、アナリストは、TSMCの2nmプロセスの量産進捗とアリゾナ工場の生産能力拡大次第で、2025年の受注額は8,000億台湾ドルから1兆台湾ドルの範囲で変動する可能性があると見ています。中央値の9,000億台湾ドルで計算すると、年間成長率は44%に達します。
TSMCの2024年の総売上高は900億米ドルです。Appleの受注が予想通りであれば、TSMCの総売上高に占めるAppleのシェアは大幅に増加し、最大の顧客としての地位をさらに強化するでしょう。
現在、TSMCは先端プロセス分野において、サムスンやインテルとの激しい競争に直面しています。インテルは2025年に18Aプロセスの量産開始を計画しており、ウェーハファウンドリ市場のシェア獲得を目指しています。しかし、TSMCは次世代ゲート・オール・アラウンド(GAA)アーキテクチャを採用した2nmプロセスによって、世界最先端のウェーハファウンドリとしての地位を維持し続けています。