
リコール対象は、2021年から2025年モデルのポールスター2電気自動車とみられています。一部のオーナーから、後退時に車両の中央操作画面に後方の道路状況が表示されず、「カメラが一時的に利用できません」というメッセージが表示されるという報告がありました。ポールスターは、不具合の原因は駐車支援カメラ(PAC)とインフォテインメントシステムの同期エラーであると説明しました。
ポールスターが同様の後方映像の問題でポールスター2をリコールするのは、1年足らずで今回が2度目となります。ポールスターは2024年6月にも、同じ欠陥により約26,000台のポールスター2をリコールしています。当時の解決策は無線によるソフトウェアアップデートでしたが、今回のリコールから判断すると、以前の無線アップデートでは問題が完全に解決されなかったようです。Polestarは、今回のリコールではオフラインのサービスセンターを通じたソフトウェアアップデートが必要だと述べており、問題の複雑さが予想以上に大きい可能性を示唆しています。
今回のリコールはPolestar 4モデルとは関係ありませんが、同モデルの設計コンセプトに注目が集まっています。Polestar 4はリアウィンドウのない現代的なクーペSUVで、従来のリアガラスの代わりにカメラで後方視界を確保するように設計されています。しかし、Polestar 2のカメラの故障は、この設計コンセプトの安全性について外部から疑問を投げかけています。自動車のリアウィンドウは1世紀以上も前から存在し、視界の確保と運転の安全性確保に重要な役割を果たしてきました。カメラが故障し、車両にバックアップとして従来のリアウィンドウが装備されていない場合、運転リスクは間違いなく高まります。
実際、カメラの故障はPolestarブランドに限ったことではありません。近年、フォード、ヒュンダイ、キア、ジャガー・ランドローバー、ステランティスなど、複数のブランドが同様の問題によりリコール通知を発出しており、自動車へのカメラ技術の応用が依然として多くの課題に直面していることが示されています。今回のケースでは、ポールスター4や同様の設計を持つ他のモデルの安全性は、より一層の注意を払う価値があります。